2018/01/08

サブウーファーシステム紹介;30cm密閉SWを専用ネガティブインピーダンス150Wアンプ駆動(その2)

このサブウーファーシステムの肝であるControl AmpとPower Ampの紹介をする前に少しおさらいを。

スピーカーの低域再生限界、についてです。

一般に低域限界はスピーカーのF0:低域共振周波数で決まっているといわれますが、これはある意味(通常のドライブ法では)正しいのですが、本当の物理的限界はコーンの最大振幅(Xmax)です。低域になればなるほど大きな振幅が要求されるのですが通常のドライブ法では低域共振がコーンスピードを制限するので、コーン移動距離(振幅)が不足します。その結果、音圧も低域にかけだら下がりになります。

バスレフはスピーカーのF0の下にダクトの音響的共振周波数を持たせて、再生限界を伸ばす方法ですが、ダクトの共鳴に頼るせいか、音圧特性的には良くとも、トランジエント特性がウイークポイントになります。低周波のトーンバーストをスピーカーから出し、ポートからの音を見るとゆっくりと共鳴が成長し、スピーカーからの音が止まっても自己の共鳴周波数で鳴ってます。このポート共鳴のボーボー音があるため、クリアな低音はバスレフでは出しにくいのです。
バスレフの出す低音はどうも苦手でポートを塞ぎたくなります。

という訳で、テツの選んだ方法は密閉箱に入れたウーファーのコーン振幅を確保するためにイコライザで低域をブーストし必要なコーンスピードを確保する方法です。ただしこの方法でも磁力(BL)が弱いと駆動力が足りずコーンスピードが不足するので、等価的に磁力を強化する負性インピーダンス・ドライブを併用しました。
(これは又、速度型MFBと等価になります。)

これを図示すると下図のようになります。

このデメリットは低域になるほど必要になるドライブアンプ出力の増大ですが通常の音楽ソースでは逆に低域になるほどレベルが低くなるので、それで相殺できるだろうと踏んでいます。

別の問題は大振幅になるにつれ増大するスピーカーの歪です。

これも懸念事項でしたが、このユニットを箱に入れた後、15Hzの大振幅でスピーカーコーンをスイングさせてみました。(無音テスト)。基音成分のみの場合、15Hzだから何も聞こえません。そして音が聞こえれば第2調波の30Hz,第3調波の45Hzなどの高調波歪が出ているハズですが、何も聞こえませんでした。
このDayton Titanic IVユニットはかなりリニアリティがよさそうで、安心して製作をはじめられました。

SubWoofer Control Amp

よくあるサブウーファー用のフィルター回路です。ハイカットはー6dbイコライザを含め、合成で-18db/octと比較的急なハイカットになってます。
CDでもコーンが数ヘルツで動く音楽ソースがありますが、そんな時に入れるサブソニック・カットも入れてます。

SubWoofer Drive Amp


0V電圧源はショートと同じ。シミュレーション用
出力にあるのはシミュレーション用等価スピーカー

変わり者アンプです。
入力をローインピーダンスのコンプリメンタリ・エミッタから入れる電流帰還アンプです。ここには他にNFB、DCサーボ、MFBの信号が入り電流加算されます。ブロック的には前段の高ゲインアンプ部と電力アンプに分かれています。前段ではNFとMFBそして大出力に見合った電圧ゲインをかせぎだしています。終段はPd、150Wの2SK1530/2SJ201コンプリを4ペア合計Pd、600Wとし、電源効率の良いインバーテッド・ドレイン出力です。+/-DC電源中点は小抵抗0.1Ωで接地され、スピーカの電流を検出し、MFBとして入力に戻してます。
負性インピーダンスはスピーカーに流れる電流の大きさによるMFBがNFBを減らす働きにより作りだされます。
このアンプの目標は、負荷4Ωで出力200Wで設計しましたが、DC電源電圧不足の為、実測150W出力となりました。そのため、各部の余力はかなりあり、お寺大会の和室100畳での大音量でもびくともしなかったので、音にも好影響があったようです。

電源
トランスはEIコアのタンゴMG-300(500VA)、2系統ある2次側は各々電圧降下の少ないSBRT20u100SLPを使った秋月のダイオードブリッジで整流し出力をパラにし電解コン47、000uF 50Vで平滑しました。

保護回路
大電力を扱う為、異常時の被害が怖いので、DCオフセット(+/-0.7Vと過電流(20A)によりMOSFETによるPower段DC電源即断回路を入れています。MOSFETはIdmax75Aの2SK2554です
左下、正負電源保護回路とMOSFETスイッチ
右半分;終段MOSFET周辺。2系統ずつまとめ、その後並列化
中央部、スターグランド銅板と電流検出抵抗0.22Ω並列

測定

(注;MFBの表記は負性インピーダンス 1.5Ωでのドライブ条件)

ユニット特性

Dayton Titanic IVを選んだのは口径が12インチ(30cm)と小さくなく、磁力BLが13.9と大きく、最大振幅XMAXが18mmと大きいのが理由です。コーン、ボイスコイル、フレームなどの作りもがっしりして頼もしい。特性はカタログ特性とほぼイコールでした。
Dayton Titanic IV 箱入りインピーダンス特性
40Hzにピーク

Dayton Titanic IV 箱入り音圧特性

システム周波数特性

Artaで測定した。20ー100Hzは再生できている。
ハイカット・ボリューム位置 Full

ハイカット・ボリューム 3/4位置
ハイカット周波数ボリューム 中間
 システム歪率

WaveGenとWaveSpectraで測定。
部屋のガラス、家具のビビり振動の為、常用域でのテストにとどめたので更なる低周波、大出力でのテストはしてない。
低歪であるのが確認できた。
16W出力時 50Hz 0.11%
 システム・トランジエント特性

WaveGenとWaveSpectraで測定。WaveGenで4波トーンバーストを発生させた。
サイクルのスタート、ストップが良く、余韻を引いていない。
25Hz 4波

40Hz 4波

53Hz 4波
システム・インパルス応答

ARTAで発生できる単発サイン波の応答特性。
同一条件でMFB オン・オフの違いを見た。
MFBの時はレベルが大きくなり、ストップ時のオーバーシュートが抑えられている。
MFB無しインパルス単発サイン波応答
MFB有り インパルス単発サイン波応答
負性インピーダンスの為、レベルが大きくなる
 システム・Group Delay

ARTAで測定。

MFB有りの時、再生帯域内Group Delayがほぼフラット。

MFB有り Group Delay

MFB無し Group Delay

 Overall Comment
メインの30cmバックロードホーンシステムの低域補強のため、小型AV用バスレフ式サブウーファーの入手から始まったサブウーファーの研究はこのサブウーファーシステムの自作によりほぼ満足できる音質と性能が得られたと思う。バスレフ式のスピーカである田舎にある25cmダブルウーファーやお寺大会で聴いた多くのバスレフ型システムより超低域迄伸びているのに余分な音がしないのでスピーカーシステム全体への悪影響が少なく音の深みが増しているのではないかと思う。
3年前に完成してその後トラブルもなく使ってきて、今回のお寺大会で多くの人に音を披露出来たのはよかった。



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