2017/04/24

ヘッドホンアンプ用スイッチングACアダプタ・ノイズフィルタの実験

前回投稿した電源トランスのリーケージ・インダクタンスが引き起こす高周波ノイズの研究の副産物として、

この方法が簡易版ですが;
  • 微小リーケージ・インダクタンスの測定
  • 自己共振周波数の測定
  • スナバ最適ダンピングの決定
  • RF帯LCフィルタの設定
にも使えることが分かりました。

テスト構成をお見せします。
  1. 低周波発振器(1KHz程度、出力2Vpp程度)
  2. オッシロスコープ(200MHz、10M位でもいいみたい)
  3. テスト冶具 下図構成
  4. 正負電源+/-5V程度
基板を起こす必要もないほど部品が少ないのでバラック配線でクリップワイヤであちこち接続してます。

測定したのはサイズの異なる2種類のコモンモードチョークです。コモンモードチョークはコモンモード信号には大きな抑圧ができますが、ノーマルモードノイズに対してはそれほど大きな減衰が期待できないとのこと。又オーディオ用には不向きであるとの噂もあるのでそこらが本当はどうか確かめたいのがありました。
上左よりShffener製チョーク、右;不明、秋葉原店頭で購入
Snubber用100Ω可変抵抗+0.1uF

チョークの片側2端子をショートし、スナバー無しノーマルモードのコイルとして、これらのインダクタンスと自己共振周波数を測定してみると、

コモンモードチョーク大 51uH、2.3MHz
コモンモードチョーク小 22uH、3.5MHz

となりました。

(注;
これらの測定値には種々のストレーキャパシタンスの影響やアマチュアの持ってる校正なしの測定器の使用上、誤差があります。しかし、インダクタンス値はLCRメータで測った値との違いが+1%と+3%でしたのでほぼ正確でした、自己共振周波数はおそらくこれよりは高いでしょう)

コイルのノーマルモードのフィルタ効果をきちんと上げるためには出力にコンデンサを入れ、そして最適な制動をかけないとピークが生じるのでQをコントロールしなければなりません。
今回は小型コイルの方を起用しました。(定格AC1.5A,1.8mHコモンモード)
出力コンデンサCxには手持ちの0.015uFを入れ、これで共振周波数は扱いやすい270Khz迄下がりました。続いて、スナバ抵抗の最適化を半固定抵抗を回して行い32Ωが最もリンギングが少なくなったので33Ωにしました。

最適化したコモンモードチョークはそのままでLCフィルタに使えます。

このフィルタを入れるのはSITヘッドホンアンプ(暮れのお寺大会出品)で、スイッチングレギュレータ式ACアダプタ付の、これまでも何度か改修で音質改善をしてきたものです。

アンプ部はSIT(VFET)ソースフォロア1段なので特にいじる所はなく、もっぱら電源のノイズ対策を行ってきて、残留ノイズは測定限界3.8uv以下迄下がり、これ以上の改善は困難と思っていました。

ACアダプタのノイズ測定

この電源には24V1A出力ACアダプタ(秋月販売品)を使ってます。

ヘッドホンアンプにつないで0.26A流しているときのACアダプタのノイズは見てのとおり

スパイクノイズがひどいものです。

周波数63.2Khzでスイッチングの反転タイミングと思われる140mVp-pのスパイクノイズがあります。

これを更に拡大してみると
周波数が16.5MHzのリンギングが確認できました。

フィルタの実装

最終的に組み込むフィルタは下図になりました。
DC入力ノイズフィルタ
DC入力の所に積層セラミック0.1uFを入れ、次にコモンモードチョーク、出口にダンピングをチューニングしたスナバ・ネットワーク、これでコモンモードフィルタに加えノーマルモードでも270Khzの2次ローパスフィルタになりました。


部品は手持ちの関係で有り合わせのモノを使いました。
DC入力部

結果
プローブにグランドクリップ

スパイクノイズは2mVppとかなり小さくなりました。水平線も細くなりノイズフロアが下がっているようです。

このSITヘッドホンアンプの音をMOJO入力のSony MDRーZ1000で聴いてみました。
ノイズフロアーが下がると実感できる、透明さ、楽器のニュアンスがクリアになり、低音楽器や暗騒音が浮かび上がる感じがします。特にハイレゾ音源ではこの傾向がよくわかります。
このアンプにはレギュレータも入ってますが高周波ノイズは
素通りなので、きちんとRFのフィルタリングもしないといけないようです。



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