2017/04/21

電源トランスが出す高周波ノイズ!!を黙らせる。スナバの研究

このところスピーカのクロスオーバーなどを色々調べていると、オーディオの音を悪くする大きな問題の中に、共振(Resonance)があることに今さらながら気づきました。

共振はオーディオでは3種類の異なったものがあり、それらは、発振、リンギングと称される電気的共振、そして機械的振動になる機械的共振、そして最後に音としての音響的共振です。
レベルが大きいとボーン、ウーン、カーン、ピーン、キーン、シーンと聞こえますがオーディオ帯域外だったり、オーディオ帯域内でもレベルが相対的に小さいと気づきにくく、信号との相互作用を含め、直接に信号を汚したり、ノイズフロアーを上げて微細信号をマスクしたりと悪さをしてます。

兎に角、これは非常に広範囲なテーマなので全部を一度に網羅することは困難だし、さらなる研究が必要でしょう。

さて、そんな中から、テツが今注目しているのは、電源の整流ノイズです。

USにDiyAudioというサイトがありますが、日本国内では取り上げてないテーマについても、理論と実践により深く掘り下げているので、よく参考にさせていただいています。

そこで注目したのは「整流回路が引き起こす高周波のリンギングをトランスに最適なスナバーをいれて止める方法」です。
Simple, no-math transformer snubber using Quasimodo test-jig

このノイズは整流ダイオードがオフになった後、トランスのインダクタンスと巻き線間ストレーキャパシタンスが共振を起こし数百Khzから1MHz程度のノイズをまき散らす、というもので、海外ではずいぶん前から注目されているようです。

このノイズは電源サイクルに合わせて1秒に100回とか120回とか放出される強力な高周波であり、電波になる高い周波数なので飛びつきや混変調を引き起こす筈です。

という訳で、どの程度の問題なのか、そしてその対策を実験して調べてみました。

テスト方法
整流回路を模したダイオードスイッチでトランスの電流を切った時起こるトランジェントを観測し、スナバで止められるかをみる。

シミュレーション(回路と結果)


この回路では通常R2とD1を介して0.1A程度のDC電流を流しておきます。オッシレーターからの入力でMOSFET,M1がオンになると、D1に流れる電流が止まり、その後、蓄積されてたエネルギーがL1、C1の周波数で共振を起こします。

実測
テストに先立ってトランスの1次側はショートします。

テスト対象;
300VA、1次100VAC、2次0-28VAC*2 カットコア トランスの2次側巻き線

テストポイント波形(0.015uFコンデンサを並列)
上;MOSFETのゲート電圧。下;テストポイント(トランスの2次側)

テストポイント波形拡大 

135Kzのリンギングを観測(0.015uF無しでは1.1MHz)
上の図を拡大
 更に120Ω+0.1UFのスナバーを追加。リンギングは消滅。
スナバを追加。

スナバ(黙らせるの意味)を最適にすればこの問題を解決できることが分かりました。

このスナバは0.015uFのコンデンサ(Cx、回路図でのC3)と0.1uFと120Ω直列のCRで構成しました。(最適ではないけどそれに近いです

このCxはなくとも直列CRだけでスナバ効果を発揮しますが、Cxを入れることにより共振周波数を1桁は下げられるのでスナバの効果をより高めます。

更に新発見ですがこのCxをいれたスナバはトランス1次からのAC入力のLow Pass Filterになっています。
AC入力のフィルタ効果;12db/oct、Fc160KHz

トランスのインダクタンスも効果的に使ってAC入力からのノイズ・フィルタリングにもなるのはいいですね。オーディオの全ての電源トランスにいれたいです。

市販のスパークキラー(通常0.1uF+120Ω)もそのまま使えそうですので入手してみます。最適ダンピングを調べたら結構低抵抗(10から50Ω位)なので残念ながら、スパークキラーは合わないです。Cx用は高周波用のポリプロピレンフィルムコンデンサがいいでしょう。ASCX363が個人的には気に入ってます。

それと、ついでですから色々なインダクターとトランスについて自己共振を調べました。
測定回路は同じで200MHzオッシロでリンギングのピークを合わせて周波数を測定してます。

測定物(RSの300VAトロイダルは写真には無い)

上左よりノグチ小型トランス、カットコアトランス、EIコアトランス
空心コイル0.3mH、空心コイル0.68mH、空心コイル、薄型トロイダル240VA

測定結果

これらから、傾向は

  • RSトロイダルトランス、カットコアトランス(Kenwoodの送信機用)はLもCも少なく、自己共振が1Mhzを超えている。
  • 一方EIコアトランスはLもCも大きいので自己共振周波数が低い。
  • 空心コイルも測定できる、自己共振は500KHz辺りにあるのでオーデイオ帯での使用に心配はいらない。
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