2016/05/02

シンプル・MOSFETプッシュプルアンプ;T2 のパワーレギュレータとプロテクタ回路

T2 MOSFETアンプはミニマルな増幅系にも関わらず,贅沢にもアンプの電源にはパワー段用レギュレータを搭載しています。

この理由はノイズとインピーダンスの面から電源平滑の電解コンデンサーだけではオーディオアンプが必要とする良いDC電源になってないのではないかと考えているからです。

平滑用電解コンデンサの種類を変えたり、増量したりすると音が変わる、というのはまだまだ改善の余地があるからだと思うからで、レギュレータにより低ノイズかつ低インピーダンスの電源ができるのであればその方がBetterであるし、音にも好影響を与える(足を引っ張らない)のではないからと思っています。
この考えはCDプレーヤ内蔵のDACを自作し、ノイズと出力インピーダンスの点から自作CFB LDOレギュレータを搭載するに至った頃からはじまり、その思いはより強くなってきました。

パワー・レギュレータはこれまでの所、アンプと似たような構成の電圧帰還型レギュレータの為か、屋上屋を重ねるのごとしと考えられ音質の面でも、パワーのロス、回路規模の点からも評価されてきませんでした。

CFB電源はLDO特性もあり、コンパクトなのでパワーロスの点からも音質の点からも、デメリットよりメリットが多いと考えています。

今回は出力段用DC電源を+/-20Vのレギュレータで供給し、過電流検出保護も備えました。

電圧増幅段用の個別電源は不要です。

保護回路のラッチは小信号MOSFETを使う事により部品点数の削減にもトライしました。

T2アンプ正負DC電源
電源は正負のCFBレギュレータで過電流検出付きです。ドレイン電流の最大値はMOSFETのIdmax以下にしなければなりません。 当初IdMaxが10Aだったので余裕を見て6Aに制限してましたが
6Ωスピーカーをステレオでフルパワーで鳴らすとこれにひっかかったので、最大値に近いが限度内である9Aに設定しています。
実際のMOSFETは短時間の過電流には強く(1msのPulseで30A迄)、DC出力は出さないのでこれで大丈夫だろうと思ってます。
さらに、大電流の時は平滑コンデンサの電圧も下がりドロップアウト電圧(Vds)も低下してくるので損失はさほど大きくなりませんので熱的な破壊には至らないだろうと考えてます。

このレギュレータは基準電圧を入力電圧より2SJ74定電流源経由で作り出しています。2SJ74は低いソースドレイン電圧から定電流特性に移行するので選びました。
このように入力から電流を引いた場合、入力電圧の変動及び負荷電流の変動によりこの基準電位も変化するので、PSRRや出力インピーダンスを極限まで良くすることはできませんが、起動停止が容易なので使ってます。



保護回路

保護回路は左右チャネルアンプ出力のDCオフセットとレギュレータからのオーバーカーレントをラッチさせて、その時、赤LEDの点灯と正負CFBレギュレータのシャットダウンを行います。

注;このシャットダウン回路の安定性のためには対策が必要です。詳しくは次の記事参照。

オフセット検出出力はオープン・コレクタのワイアードORで集め、ダイオード経由でラッチを起動します。このダイオードはラッチ作動時にコレクタが反対方向に引っ張られないようにするためのストッピングダイオードです。
ラッチはバイポーラで作るとVbeの範囲を狭くしなければならない為、多数の抵抗で動作電圧の制限をかけますがMOSFETはその点Vgsの許容範囲が正負方向に広いのでシンプルにできます。

ここで使っているのはTO92パッケージの小信号MOSFET、2N7000とZVP3310Aです。

この保護回路は平滑コンデンサの出力から電源を引いてきてます。浮いているゼナーは電源オフの時早めに電源を切るためのものです。 保護回路が作動して電源をオフにした場合平滑コンデンサのチャージが大きいため、これが無いとなかなかこのラッチ状態を解消出来ません。急いでる時はリセットスイッチを押せばいいのですがアンプの底にあるので試験中限定です。



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2 件のコメント:

  1. 岩野@中野です。
    保護回路が働くと、Q13がONになり、Q3のベースをグランドに引っ張りこみますが、Q3のエミッターは定電圧電源の出力ですので、低インピーダンスで、コンデンサもつながってます、瞬間的には、かなりの電流を引き込むのではと考えます、シュミレーション上でのベース電流はどれくらいでしょうか?

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    1. 岩野さん、こんにちは。ご指摘の通りで大電流が流れるようです。さすが良い処に気がつきますね。
      シミュレーションでは出力電圧20V、出力コンデンサ180uF、ESR20mΩ、負荷電流2A時にシャットダウンさせると700mAピークで10ms幅のパルス電流が流れました。コンデンサの放電電流の一部です。何度もシャットダウンさせてるのに2SA1015,2SC1815が耐えているのが不思議ですね。ついでにこれを減らすのをシミュレートしました。最も良いのはQ3と基準電圧源との間に低抵抗を入れる方法で、220Ωで90mAに迄減らせました。AC特性、出力インピーダンスには大きくは影響しません。更にこのQ3Q6をよりIbの流せる石、2SA1930/2SC5171(Ibmax1A)などに変えるのも必要なようです。

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