2016/05/16

SIT、2SK70/2SJ20の特性チエック

2SK70と2SJ20は1970年代にNECによって製造された3極管特性をもつ、縦型FET、(SIT)のコンプリメンタリ・ペアです。
同時期にソニーやヤマハもSITを生産して自社の多くのアンプに搭載していました。 
一方NECはこれらでアンプを作っていません。使ったのは山水でBA1000に載せられてます。ビクターも使ってたようです。

これらのソニーやヤマハ製のSITは製造されてから長い時間が経ってる事もあり、現在ではレア物扱いです。
このNEC製SITは更に数が少ないようで超レア物のようで、先だってヤフオクで見ていた中古の2ペアはなんと落札価格3万円に達しました。

そんな訳で、手持ちの2SK70/2SJ20、2ペアをただ眺めているのももったいし、これらの工業生産物は使ってなんぼのモノですからいずれアンプで使ってあげようと考えていました。

ここで分かっている特性はCQ出版「89FET規格表」より

      2SK70    2SJ20      2SK82(SONY、参考)
----------------          
Vgdo    100V   -100V       240V
Vgso    -40V      40V       45V
Id max   10A    -10A        10A
Pd     100W    100W        95W
Tj      150℃    150℃       120℃
μ        4       4         4
Rd       6Ω     10Ω        10Ω
Cis     430pF    710pF       380pF

です。

SONY製の2SK82/2SJ28は世界初のD級アンプに使われたことのある高圧高速のスイッチング用途で、2SK70・2SJ20とは少し趣が異なります。この石は特に海外で人気で、Nelson Passはじめ、今でも多くのDIYアンプビルダーの垂涎の的です。

しかし、2SK70/2SJ20の方がTjも高いし、Rdも低いしよりオーディオアンプに適してるような気がします。
2SK70(上段)と2SJ20(下段)
上の中央はSony 2SK82

ともあれ、ありあわせのヒートシンクにSITを取り付け特性を測ってみました。

アンプの出力がいくらになるか?そして発熱は?と考える上で重要なOn時の飽和電圧特性を見るためです。

これを実測するため、数Vピークの全波整流波形をドレインソース間に加え、そしてバイアス電圧はゼロとしてドレイン電流波形をセンス抵抗1ΩでオシロのXYプロットで観測しました。
2SK70 
飽和Vds-Id特性 (Vgs=0V)
4A流して4.5Vドロップしてるのが観測できました。抵抗換算でオン抵抗1.1Ω程度です。
ACで測定するRd,ドレイン抵抗6Ωというのは増幅作用のある領域のはなしであり、これよりも大きくなります。

バイアスを深くするとこのカーブが寝てきて(抵抗が大きくなる)スタート位置も右にずれるていくのを見るのは面白いです。このSITという素子はシリコンで出来た電力用可変抵抗なのかと思わせてくれます。
残像を人間の記憶に頼るカーブトレーサーであり、簡単で単純なテストですが、印刷された特性図を見るのと違って、素子について、どういう特性なのかの感覚を持たしてくれます。

30数年前に先達がやっていたであろうことをタイムスリップして追試している気分です。


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