2016/03/05

SIT MCフォノイコに超低雑音レギュレータを使いたい。

しばらくぶりのUPDATEですね。

フォノイコライザ用にディスクリート超低雑音レギュレータをデザインしてました。
(真空管用とか半導体用とか)
オーディオ用のレギュレータはアンプ回路と比べてまだ発展の余地があるようで頭の体操にもなりますのでSPICEでこねくり回して回路を考えてます。

目標は

比較的高圧の50~100V入力で低Drop Out、外部からのノイズをおさえるPSRRがー100db程度で内部からのノイズ発生も極少なく、出力のノイズレベルが1μV位。
出力電流は100mA程度。

と野心的なモノにしました。

これと引き換えに出力電圧の精密性、低ドリフトは単なるアナログアンプ用なので重きを置きません。
出力インピーダンスは比較的高圧小電流用なので1Ω以下あれば良しとします。

多分、市販のICレギュレータでは実現出来てないスペックだと思います。(Reinventing Wheels?)

ベースにしたのは、ディスクリートCFB LDOレギュレータです。

パストランジスタはMOSFETからノイズの少ないバイポーラに変更です。基準電圧源を雑音の出るゼナーダイオードをやめ、又、起動回路に使っている耐圧の低いJFETをやめてそれらを他の方法に変える必要がありました。

でデザインしたのがこちらです。
左;レギュレータ回路
右;PSRR      

基準電圧はJFETの定電流特性を使い、この基準電流を抵抗に流して基準電圧にします。それをJFETのソースから取り出して少しでもインピーダンスを下げます。

起動回路がなぜいるか?

それは、この回路では基準電圧を最もノイズの少ないレギュレータ出力からの電流で作りだすので、これがないとラッチアップして起動しません。
それでゼナーを使った簡単な方法を思いつきました。
ゼナー電圧が規定の入力電圧より低く、ドロップアウト電圧よりも大きいゼナーダイオードを使い、起動時には引っ張り上げてもらい、定常時にはオフになってもらえればいいわけです。

起動後電圧が安定する迄の時間は出力と基準電圧のパスコンに充電するために2秒程度かけてます。(短縮するには大電流が必要なので。)

PSRRはノイズで最も問題となる50Hz-100Hzでは100dbを超えました。
出力インピーダンス

出力インピーダンスはオーディオ帯域では50mΩ程度になりました。高周波域では出力コンデンサのESRが支配的になります。
DC~超低周波域では基準電圧用のパスコンの効き目がなくなるために上がってます。

ということでシミュレーション上では、これでいけるとなりましたので実回路を起こしました。
試作、超低雑音CFBレギュレータ

基板はI氏に頂いたパワー段用CFB電源ボードを使い手持ちの高圧対応部品を使い実装しましたので設計通りの定数にはなってません。

そして、タンゴのトランスHA100のAC35Vを両波整流し1000μF平滑コンの50V電源につなぎ通電してみました。一発Okでした。 

ボリュームを回すと電圧が変わります。コンデンサにチャージするので変化はゆっくりです。とりあえず43Vに合わせました。

電源ノイズ測定用アダプタをつなぎ、測定用PCの24ビットWaveSpectraで見ますと、リップルを含めてノイズは殆ど見えません。測定限界である数μVにあるノイズフロアの下に潜っているようです。

これでは測定しようがないので平滑コンデンサを100μに下げ、負荷をつなぎリップルを数Vにまで増加させてノイズフロアから顔を出すようにして測りました。
入力 リップル・スペクトル。
10V0db、100uF平滑
周波数軸;リニア

レギュレータ 出力ノイズ・スペクトル
10V0db,100μF平滑
周波数軸;リニア
15KHzにある丘はADコンバータの特性

これらから見てPSRRは95dbは達成してるようです。

実装テスト用に再度平滑コンデンサを1000μFに戻しました。これで出力ノイズレベルは数μVにある測定限界の下に潜りました。


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2 件のコメント:

  1. 作成されてから1年ほどが経過しましたが安定性はどうでしょうか。私も300BのC電源用に回路を借用して作ってみようかと考えていますが、許可を頂けますか?また、使われたCFB電源ボードは市販されているのでしょうか?今まで平ラグや汎用ボードを使ってきましたが専用ボードは矢張り見た目が美しくて良いですね。

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    1. uedaさん、コメントありがとうございます。
      おかげさまでその後安定して動いています。
      テストするのであればどうぞご自由に試してください。
      300BのC電源用だと温度安定性も重要ですね。このレギュレータはトランジスタのVbeやJFETのIDを電圧基準に使っている関係上、温度により出力電圧が変動します。バイアスが変わるとまずいと思いますので、ここには、温度安定性の良い別のレギュレータを使われた方がよろしいかと思います。

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