2016/03/31

6C45 フォノイコライザの電源設計(1) 高圧シリーズレギュレータ

6C45フォノイコライザのB電源電圧は元々+285Vが使われてます。これは初段が6C45のカスコード、2段目が12AX7のSRPPと真空管2段重ねの回路を使っているからです。

今回使う予定の電源トランスはRコア 80VA 2次側130VAC両波用ですがこれを真空管Bendix 6754を使った倍圧整流にすれば、ちょっと高いけど整流後360V程度が出るだろうと考えてます。
Bendix 6754
6754は高信頼管で,高価なWE412Aと互換の球です。この特徴は一般的な整流管の様にカソードが共通となっていないので個別のダイオードの様に使える処にあります。
トランス自体はセンタータップ付き両波整流が可能ですが,そうするとダイオードのブリッジ接続になってしまうので、簡略化のため6754が一本ですむ倍圧整流でトライします。
ここに真空管を使うのは音質上と、適度な電圧降下と電圧上昇がゆっくりしているためです。

ヒーター点火用電源には直流で12V、1A程度の容量が必要で、様々な電圧ドロップやAC-DC変換効率から考えて、14VAC 2Aの2次回路が2系統必要となります。
この為のトロイダルトランスを調達予定です。

その後、それらの電源出力はUmbilical コードを介して6C45 フォノBOXに供給されます。
コントロール ボックス(旧ライン・アンプ)背面
上面にあるのはUmbilicalコードの部材
 UmbilicalコードはJAEの7ピンコネクタのコンセントをコントロールボックス側に設置し、その線材としては10φ 6心ケーブルを使いタカチのケーブルグランドで6C45 フォノBOXに固定します。

フォノボックス内のレギュレータはイコライザ基板の近くに置いて、出力インピーダンスの上昇を抑える予定です。

そのうち、ヒーターレギュレータは低雑音CFBレギュレータを起用します。

+B高圧電源レギュレータは、電圧が高く、半導体で作るのには大きな困難があります。
CFB電源も定常状態に移ってしまえば、動作電圧が低くなりますが、電源投入時と遮断時のトランジェント期間である2秒間ほどは高電圧や、コンデンサの充放電に伴う大電流に耐える必要があります。

この問題に対するスマートな解決策が中々なかったのですが、回路の変更ではなく部品の選定で何とかなりそうな手応えを得ました。
B電源用、LCフィルタと高圧CFBレギュレータ 
そのPSRR(Power Supply Rejection Ratio)

新部品を使いシミュレーションしてみましたが、LCフィルタを前段に置きこのレギュレータを通せば、PSRRは優に150dbを超えて200dbに達しました。

120dbあれば1Vのノイズが1μVになる勘定ですからさらに30dbから80dbは低くなるハズなので実機でもノイズレベルは1μV以下になるのでしょう。 出力インピーダンスは3mΩと計算されました。

この電源は普通のCFB電源を高圧側に展開させたもので、大きな違いは出力トランジスタをドライブするM7に高電圧に耐えられるDepletionタイプのMOS FETを使っている事です。
ここに高耐圧だからとBJTやMOSFETを使うと動作がEnhancement Modeなのでレギュレータの起動ができず、別途スタートアップ回路を追加する必要が出てきます。 
出来るだけ基準電圧を汚さない為に基準電圧をレギュレータ出力からとるブートストラップ型基準電圧源の宿命ですがここをDepletion型トランジスタにすれば問題は解決できます。

国内のオーデイオ・シーンでは自作を含めて見たことがないNomally Onタイプのアメリカ製MOSFETです。Depletion型ですからJFETの様に負バイアスをかけて使います。

耐圧は400Vあるし150mAは流せるので、まさにこの用途にピッタリの素子です。国内での入手はRSで行ってまして、海外在庫ですが短期入手可能です。既に10個ほど注文しました。
SPICEモデルもあったのでSPICEでのシミュレーションも容易でした。

もう一つの不可欠な素子は 高耐圧Pch MOSで同じく耐圧450V以上が必要です。国産で秋葉原で入手できるのはこのレベルはほとんどなくて、こちらもRS扱い海外製のものになりました。



SMD型 のD2PAKですので半田付けや取り外しが大変ですが性能はこの使い方にピッタリです。こちらは国内在庫ですからDeliveryも早く、すでに入手済みです。

このようにディスクリートのキーデバイスが海外製になってしまうのは国内電子産業の落日を見るような気がして、残念です。

基準電圧は高抵抗R5にJFET、J1からの定電流を流し発生させます。この抵抗は熱雑音の発生源になりますので、他の要因でノイズを発生しないよう巻き線抵抗を使ってみます。並列のC6はそのままでは高インピーダンスになる基準電圧のインピーダンスを下げるものです。 音質にも影響があるのでフィルムコンを使ってみます。

出力コンデンサC12は適度なESRを持った電解コンデンサを使います。オーディオ帯域での出力インピーダンスは半導体で決まりますがより高い周波数帯域ではこのコンデンサのESRが決定的になります。つまりオーディオ帯域での出力インピーダンスと同じ値のESRなら高域迄出力インピーダンスがフラットに出来ます。シミュレーションでは3mΩだったのですが、ここまで低いESRの電解コンデンサはないので、できるだけ低いESRの電解を探します。

手持ちの350V 100μFの電解コンのESRをPeak Atlas ESRを使って測ってみた処、千差万別で最終的にニチコン VX チューブラ が20mΩと最もESRの低かったので使ってみます。
ちなみに他に数種類あったけどESRはこの10倍から100倍でした。

これらのコンデンサに急激に充電すると大電流が流れてトランジスタが破壊するので、整流管の起用やLCフィルタなどによりスロースタートとさせ、充電電流を抑えます。




部品集めから製作へとつづく




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