2015/11/10

ジャイレータ LCリップルフィルタのテスト (DC特性)

今回はジャイレータLCフィルタのDC特性のテストです。

チョークの代わりですから当然直流電流を供給できなければならないし、出力に大容量の電解コンデンサをぶら下げることもあるのでほぼ負荷がショート状態でスムーズに起動出来ないと困ります。

テストの前にこのジャイレータが直流、特に大電流域でどう動いているかを解析しました。


このFETモデルは東芝が提供した2SK3497のデバイスモデル SUBCKTをネットで拾い、ボディダイオードなどは無視してMOSモデルのみを取り出して使ってます。データシートよりはオン抵抗が少し高いですが
その他は良くあってるようです。

このLTーSPICEの回路図で右側のドレインとゲートの間にダイオードの電圧降下の代わりに0.7vの電圧源を繋いだMOSFETがこのジャイレータで使っている方です。


ダイオード接続になっているのでドレイン電圧と電流の関係しかなく、Vgs-ID特性だけが描けます。

今、右図のようにドレイン電圧を上げていくとA点(Vth-0.7v)で電流が流れ始めます。そして電流はどんどん増え続け、B点に達します。ここはMOSFET内部での電圧降下がゲート電圧を超えて増幅機能を失い単なる抵抗として動くポイントです。スイッチング動作でいうオンになっている状態です。

回路図、左の同じFETはソース接地になっていて、こちらからはVds-Id特性が得られ、ダイオード接続されたMOSFETの内部が、オン状態なのかそれとも活性かを調べるためにゲートに電圧を加えています。

そしてOpearating Areaと書かれているO-A-Bで囲まれた領域が活性領域で、増幅作用があり、出力インピーダンスがハイになっている状態です。
このジャイレータが機能を果たせるのはBまでで、その時のIdは10Aという事が分かりました。

過負荷対応ですがこのグラフからは2sk3497のドレイン損失Pd 130Wは超えないのですが、IDはMax (1msパルス)で30Aという絶対最大定格があるので、少しやばいです。
2SK3954がオーディオ用途なので、よりスイッチングに向いたId MAXの大きなものにする必要があるようですね。


DC負荷テスト

DCテスト回路はほぼ実用機レベルの構成をとりました、D3はドロップアウト削減オフセット用です。

電圧降下は0.9Aで2V、1.65Aで2.4Vでした。 電圧降下がノンリニアーなのはダイオード接続されたMOSFETでのドロップがノンリニアなためです。

MOSFETは小さなヒートシンクに載せてますが1.65A時の発熱は手で触ってもぬるい程度でした。(負荷の8Ωは20Wの発熱でアッチッチ)

コンデンサのショートをするShutDownスイッチで緊急停止させられるかどうかのテストもしましたが、出力コンデンサのチャージのため即断ではないですが遮断できました。

コンデンサを合計44,000ufまで増やしての電源投入を数回しましたが異常ありませんでした。


総評

フィルタとしての特性、DC特性はいい結果だと思います。
このままでも10W+10Wアンプ程度であれば使えそうです。MOSFETの定格を大きくすればさらに実用的に使えそうです。何しろ小型、軽量、安価であるのがいいです。



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2 件のコメント:

  1. てつさん こんにちは 関澤@池袋です。
    12V/50VA程度の高品質のRME fireface用電源を作るにあたり、本回路の追試をさせていただきたく思います。

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  2. 関澤@池袋さん こんにちは GyratorのフィルタはDigital系ではまだ使ったことが無いので結果に興味があります。Gyratorを挟んで入力側のコンデンサがリップル対応の高リップルタイプで出力コンデンサは負荷対応の低ESRと分ければいいのかな。

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