2015/11/08

インダクタに依らないLCリップルフィルタの実現 (LC ripple filter based on power gyrator)

LCリップルフィルタはコイル、インダクタを使わなくとも実現できます。

インダクタをシミュレートするジャイレータでチョークを実現すれば,高価で重く大きいチョークにサヨナラし、必要に応じ、最適なLCリップルフィルタを追加できます。

インダクタンスをシミュレートするジャイレータとそれを使ったLCフィルタは
Gyrator and LC Filter

このようにビヘビア・モデルで表現すればシンプルな回路になります。

LTSpiceの回路図にインダクタンスを求める数式を記入してありますが、導出は面倒なので各自でどうぞ、DIYAudioなどの海外ネットでもみつかるかも。

抵抗2本とコンデンサ1個、そしてGで表される電圧制御電流源VCCS(実際にはMOSFET)でこのジャイレータは構成されていて次の式で求まります。

インダクタンス値、L=2個の抵抗値の積(Ω)*コンデンサの容量(F)
コイルの等価直列抵抗値=ソース抵抗値

この定数でジャイレータがシミュレートしてるのは等価抵抗値が0.5Ω、インダクタンス 3.3mHのチョークです。

そして出力に15,000μFのコンデンサを入れ、遮断周波数22.6Hzの2次ローパスフィルタが実現出来ました。

さて次はこの回路を具体化するわけです。

具体化にはDC電源やバイアス動作点などを決め、DC的に安定動作させます。

GにはK式アンプでも使われた大電流MOSFETの2SK2554を起用します。

このMOSーFETは手持ちの中ではVds60V、Id75A, Pd150Wと最も耐力があり、電源投入時のコンデンサの充電電流にも耐えられるハズです。

DC電源入力25V、最大電流10Aのリップルフィルタを考えた場合

特性図からゲート・ソース電圧VgsはId10A流すために2.2V程度かける必要があり。そしてドレインとゲートを抵抗で接続すると、VgsとVdsが等しくなりVdsが2.2Vとなります。
この電圧は又、このジャイレータのドロップアウト電圧となります。

Vdsが2Vもあればおそらく最大定格のパルスで300Aというドレイン電流を流せます。ここでIdを10A程度に落とした場合のVdsは1Vもあれば活性状態を維持できそうなので、その為に必要なVgs2.2VとVds1Vの差 1.2Vのオフセットを外部から与えて両方を満足させればいいでしょう。
Power Gyrator

ということで出来上がったのがこれで、原理図との違いはMOSFETとそのオフセット回路が追加になっている点です。
このオフセットによりドロップアウト電圧を低くする方法はテツのオリジナルで、大電流を扱うジャイレータでは必須でしょう。 LTSPICEのデバイスモデルには適当なMOSFETがないので特性の似通っているIRF530を使ってます。ただ、このMOSFETはオンになるVgsが4V程度と高いので、このままだとドロップアウトが4Vとなるので3個のダイオードで2.1V程度に下げてます。

2SK2554を使った実機ではダイオードは2個にしてます。

実機は回路が簡単なのでごく短時間に出来てしまいました。

テスト中に測定器のグランド接続を間違え出力をショートしてしまいましたがソース抵抗 0.44Ω(0.22Ω 5Wを2個直列)がアッチッチになっただけで回路は無事でした。保護回路もないのに丈夫ですね。レギュレータなら焼損です

テスト結果とシミュレーションなどは次回に。。。


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