2015/11/07

オーディオ用LCリップルフィルタとレギュレータの特質についての考察

前作のA級シングルアンプでは電圧をできるだけ下げないでリップル等のノイズを減らすのに苦労して、最終的にはチョークを使ったCLC型(π型)平滑回路にたどりつきました。

これは真空管アンプ時代から定電圧安定化回路(電圧レギュレータ)が実現困難な時代からよく使われてきました。現代の真空管アンプでもよく使ってます。

しかしここで使うインダクタ(チョーク)は磁性体コアの周りに導線をぐるぐる巻きにしたものですから、重くて大きくて、高価なものというのが相場です。

今回使った10mH3.5Aというような低インダクタンス大電流チョークは今現在市販されてないので特注しなければ無理でしょう。

インダクタンスを使った平滑回路は、実際にアンプに使ってみるとリップルの抑圧ではレギュレータに負けても、肝心な音質の面でアドバンテージがあるとの評があります。

今回使ったLCリップルフィルタも音質的に充分満足いけるものでした。

これと似た機能を持つレギュレータのデメリットに関しての色々な意見は、リストアップすると


  • レギュレータは帰還系があるので高速応答には無理がありインピーダンスが高域で上昇する。
  • 基準電圧源よりノイズが出るので、出力にノイズを付加する。
  • パワーアンプなどの大電力用には放熱のため 大きな放熱器が必要になる。
  • 電圧降下があるのでその分高い直流電圧が必要になる。
  • アンプの為にアンプと同じような回路のレギュレータは余分だろう。
要するに、音質とコストでのデメリットがあるとの事です。
テツのCFB LDOレギュレータはこれら問題の解決の一案として考えたものですが。。。。

一方LCフィルタのメリットを考えた場合、次のようなことが言えます。

  • 高速応答は出力のコンデンサで決まる。容量も種類も自由に選択できるので大容量にしてフィルムコンデンサを抱かせ、負荷の直近に置けば、高周波迄低インピーダンスにできる。
  • ノイズは原理上発生しない。
  • 内部抵抗による発熱があるが太い銅線を使えば抵抗を下げ、電圧降下を下げ発熱も減らせる。(大きくなるが)
  • 素子数が少なくシンプル
更に、LCリップルフィルタの動作を色々シミュレートしているときに気づいたのは、
  • LCフィルタはインダクタの前後の信号を分離(アイソレート)している。
という事であり、
つまり、リップルフィルタの前にある整流電圧の大きなリップルを通さずにフィルタの後ろに直流を供給するという当たり前のことをしていると同時に、アンプ側の交流信号電流が電源側に流れないように、双方向に電源とアンプをアイソレートしている。

このアイソレート機能はレギュレータでも上流から下流への片側の機能は持っていますが、オーディオ帯域でアンプ側で必要とする電流はレギュレータに蓄えがない為、上流のコンデンサやトランスに要求してます。

この片側のみアイソレートというのがレギュレータの限界で、レギュレータを通しているのにトランスを変えると音が変わる。という事の原因ではないかと思います。
DACの電源トランスを大きく、整流後の電解コンを強化すると音に余裕が出るというのはここらに原因があるのではないかと想像してます。

なお、レギュレータの出力コンデンサは設計上の制約により野放図に大きくはできません。

次回はインダクタに依らずにLCリップルフィルタを容易に実現する方法です。

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