2015/09/13

ハイブリッドA級シングルアンプ(3)直熱管点火法、バイアス法考察

またまたスピンオフです。

今回は初段直熱管フィラメントの点火方法とバイアス法についてです。

直熱管の点火回路について調査した結果、プリアンプ部でもあるし低歪で低ノイズが必要になるため、

ディスクリート回路でDC電流レギュレータを構成し
スターブド・フィラメント・モードで点火し
更にフィラメント・バイアスにする

ことにしました。


この方法を選ぶにあたり、ネット上の様々な情報を拾いました。

交流点火の問題
交流点火、フローティング

1).AC電源をトランスでステップダウンしてフィラメントを点火するが、AC電源の変動は+/-10%の変動が許されているのでフィラメント電圧もこの範囲で変動する可能性がある。
さらに、AC電源には様々なデジタル機器をはじめ、多くの変動負荷がぶら下がっているのでノイズに汚されている。これはノーマルモードノイズとしてフィラメントに侵入する。

2).真空管のフィラメントとそのソケットピンには、フィラメント点火電流とカソード電流が混在して流れている。その時の共通部分の抵抗により音楽信号が変調される。交流電源との混変調は信号に多くの側帯波を生じさせ、結果音が濁る。


3)交流点火は必ずフローティングさせなければならないので、電源トランス経由でフィラメント電源に乗ったコモンモードノイズがカソードに入り込みやすい。


これらはカソードに入れるパスコンやハムバランサで軽減することができるが、ゼロにはできない。

一方DC点火では、レギュレータ構成にし、混変調が起こらない直流であるし 更に、フィラメント電源を接地した構成をとる事も出来るため、これらの問題を解決できます。

では、そのDC点火の方法ですが、3端子レギュレータが最も簡単です。
DC電圧点火、フローティング

しかし、

3端子レギュレータの出力は精度が高いがノイズが多いバンドギャップ・リファレンスを使っている。その為、電圧源や電流源に仕立てても出力電圧や電流がノイズにまみれる、出力に大容量のコンデンサを入れても出力インピーダンスが低いので中々ノイズを減らすのはむつかしい。

DC点火にも定電圧と定電流の2種類の点火方法があるが;

定電圧点火はフィラメントに流れる音楽信号電圧がフィラメントの両端に現れるが、それをショートする結果、レギュレータの内部に音楽信号が入り込み、フィラメント回路の動作に影響を与える(らしい)。
(定電圧ドライブと定電流ドライブでは躍動感などに違いが出るとの事です)
しかし、定電流点火はフィラメントに発生する電圧には無関係に電流を流し込むのでお互いに影響を与えあわない。


ということで直流点火、かつ定電流点火に絞られてきました。

ではどのようなDC点火回路が良いのか?

Rod Colemanレギュレータ回路が欧米では評価が高いようです。
コールマン・レギュレータ

このレギュレータはフィラメンントに影響させないため、ハイサイド・吐き出しとローサイド・吸い込みの2種類のレギュレータを持ち、何れのレギュレータも音楽信号には影響を与えない為にオーディオ帯域ではハイインピーダンスになります。
フィラメント電流値は吸い込み側のCCS(定電流源)により決定されます。
ただし、フローティングでの動作を基本的に想定しているため、コモンモードノイズ対策を必要とするので、各フィラメント毎に専用巻き線、もっと頑張れば専用トランスを要求します。

より簡便に定電流点火をするには?

ここからはテツの考察です。

Coleman コールマン・レギュレータはフローテイングが基本であり、そして専用電源がいるというのがあって、コスト的に抵抗があります。
少なくともトランス巻き線は各球フィラメント毎に用意しなければならないで後の整流回路も当然専用で必要です。
しかしそのコンセプトであるハイインピーダンスレギュレータであるべきという点は見習うべきところがあります。

最終的かつ最良なフィラメント点火方法は
DC電流点火フィラメントバイアス
DC電流点火フィラメント・バイアス

正の単電源を用意してそこからディスクリートDC CCS(定電流源)を介して、フィラメントに電流を供給し、さらにその電流でバイアス電圧も作り出すのがベストとなりました。

フィラメント電流でバイアス電圧も同時に作り出すのはフィラメント・バイアスと呼ばれてます。
この方法は海外でよく使われているようです。
 
直熱管4P1Lのカソード電流は20~30mA程度で、フィラメント電流は550mA程度、バイアス電圧を発生させるために必要な抵抗値は10Ω程度ですみ、パスコンは不要になります。

この電流源はトランジスタによる定電流回路でフィラメント毎に必要です、しかし巻き線やら整流回路部分という大きな回路部分が共通化できるのでお金の節約になります。

こうすればハイブリッドアンプの終段電源からフィラメント電流ももらえるので楽ですね。


スターブド・フィラメントって何?

Starve、飢えから来ている言葉で、定格値よりも少ないフィラメント電流にすると歪が減ったり、マイクロフォニック・ノイズが減るとの事です、
4P1Lの場合は定格630mAに対し550mA程度に減らすと悪影響なく音質改善ができるとのことです。

これで最も面倒で重要なフィラメントとバイアスの方式がディスクリート回路でDC電流のスターブド・フィラメントで点火し更にフィラメント・バイアスで決まりです。


これらの方策で回路規模をだいぶ小さくできます

直熱5極管4P1Lとロクタルソケット1セットを秋葉原に行って買ってきましたので、次は4P1Lプリの実験です。 ハンガリ-に注文したのも発送されたようなのでそのうち来るでしょう。


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