2015/08/20

低歪MOS FETヘッドホンアンプの製作(5) 測定と評価

さてMOSFETヘッドホンアンプの音も出来立ての時と比べてあまり変化はなくエージングも長時間は必要ないようなのでここらで特性を測定してみました。

今回のテストは全般的な性能や状態を確認し設計や製作の良し悪しを見て行きます。

測定にはHP8903Bオーディオアナライザ、Waveスペクトラ、岩通200Mhzオシロなどを使いました。
但し、いづれも校正してないので数値データは参考程度です。

1)残留雑音

   右チャネル 28μV
   左チャネル 21μV

   実験機よりも雑音レベルが高いです。
   実験機では電源にトラッキング定電圧電源を使ってましたのでノイズが少なかったようです。
   絶対レベルとしてはそう大きいわけでもなく、レギュレータを入れるまでもないのでこのままにします。

2)ゲイン

   右チャネル 0.986倍 (-0.12db)
   左チャネル 0.988倍 (-0.11db)

      ソースフォロア0dbバッファらしくゲインはほぼ0db。
   22Ωの重負荷をドライブしての値ですから、出力インピーダンスも低い事が想像されます。

3)出力インピーダンス (オン・オフ法)

   右チャネル 0.066Ω
   左チャネル 0.066Ω

   組み込んだ回路は、歪を減らしますが、同時にソースフォロアの出力インピーダンスを下げます。


4)方形波レスポンス

     
上;入力、下;出力


  10Khz方形波の特性です。肩ともシャープです。
  この出力波形は50KΩ入力VRを少し絞ったところで、入力のLPF効果のため最も波形のなまりの
  大きく出る処です。
  VRの次にあるMOSFET ソースフォロアの入力キャパシタンスが大きいと、このLPF効果がオーディオ
  帯域まで落ちてきます。
  ここではMOSFETに低Crssの物を選択したので周波数特性の劣化の影響は抑えられたようです。

5)歪率; THD


 通常、THD測定はHP8903Bで測るのですが、残留ノイズレベルが少し高いので、ヘッドホンアンプが
 低歪でもノイズに邪魔されてTHD+Nが高めに出ます。

 高調波歪がどの程度あるのか、回路の実力を知る為、THDだけを測れるWS;WaveSpectraと
 WaveGeneを使いました。
 但しWSは方式上、実体より少なめの歪率になります。


  最大出力は100mW(22Ω)あたりです。
  10KHzで歪が少し増加するのはMOSFETの電極間容量の電圧依存性のためでしょう。
   実際の使用環境である1mW以下の出力レンジでは、0.01%以下になりますのでかなりの低歪
  になります。 又、左右のばらつきも少ない。

6)クロストーク

  測定はWSを使い、テスト周波数の成分のみのレベルを比較してます。

作る前はクロストークはもっと良くなるだろうと思ってたのですが。。。とりあえずここらで良しとします。

コスモスの20K2連VRを使っていた時、このVRについている金属のキャップをグランドに落とさないとクロストークが数DB悪化してました。 それで対策済みの50KΩ2連VRに変更しました。

低域でのクロストークが増えるのは共通になっているDC電源のせいです。
高域で増えるのは2連VRを含めたチャネル間のストレーキャパシタンスによる飛びつきで起こっているようです。
これ以上の改善は実装やら部品の変更など大変なことになりそうなのでやめます。


7)外観、使用感

 トランス電源内蔵でも小型、薄型に出来ました。
 フォーンジャックが2種類、3個ついていると色々なヘッドホンがつなげるので使い勝手がいいです。
 パネルがはめ込みなので前後に少し動きます、振れ止めをしなければならないかな?

8)リスニング

デジタル音源は3種類あるがその中で最も鮮度の高い、WM8740 DACでルンダール・トランス出力の自作CDプレーヤに接続した。ダイアナ・クラール、ヘイリーなどの女性ボーカルやジム・ホールやマーカス・ミラーなどのジャズ、ドボルザーク、バッハなどのクラシックをテストソースとしました。
ヘッドホンはSONY MDR-Z1000を3.5mm ミニプラグで接続しました。 

総合評価

MOS FETソースフォロアのシングルバッファは簡単すぎるので特性的には見劣りするのですが、オペアンプを使った一般のものと比べても遜色はなさそうです。

ミニマリストの作った、このヘッドホンアンプは主役のMOSFETに1個35円のものを使うなど費用もミニマルを追及しましたが音には妥協をしてません。

音質は特定の帯域に変な癖もなく、解像度重視だと細くなったり、力が弱くなったりするのですがそういったこともなく、解像度とレンジを両立させた実体感のある音が出てる気がします。

時々AKG K601 (インピーダンス120Ω)を鳴らしてますが、音量が特定のCDで足りないのを除けば、綺麗な音で音楽が楽しめます。 

それと細かいところでは電源投入時のポップノイズ気にならなくなりました。

ステレオミニジャックの接触不良はテツの半田づけのせいでした。いずれこれを絶縁型にしなければなりません。

発熱は2Wに抑えたので夏日でもケースが熱くなりませんし消費電力も気になりません。

総合判定は、
これまでのテツのスピーカーシステムを含めた自作オーディオの中でのベストの音が出てるように思います 



にほんブログ村 PC家電ブログ オーディオへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿