2015/07/16

ミニマリスト ヘッドホンアンプ MOSFETソースフォロア実験、理屈編

さてMOSFETソースフォロアの働く舞台はどんなものになるか?

気ままなテツは構想で提示したMOSFETソースフォロアには飽き足らずもう1段高度な(ひねくった?)回路を考えました。

というのも、普通のMOSFETソースフォロアは先達がすでに実験しているとおり、音は素直だけど歪率などの特性がよくないと言われており、そのまま作るのはいかにミニマルを狙うにしてもシンプル化しすぎており如何なものかと思えます。

一方、MOSFETは入力インピーダンスが非常に高く、出力インピーダンスもソースフォロアで1Ω程度まで下げられそうで24Ωという低インピーダンスヘッドホンを1段でドライブ可能なわけですからあきらめるわけにはいきません。

通常ヘッドホンアンプは入力にオペアンプをいれて増幅をさせ出力バッファでヘッドホンをドライブし、歪や出力インピーダンスなどの問題はすべて強大なゲインと強力なNFBに任せ、力ずくで抑え込みます。

しかしミニマルヘッドホンアンプはこの業界標準のトポロジーから離れ、低インピーダンス、高能率のヘッドホン専用としたバッファのみで構成し、結果的にシンプル化と共にいい音を手に入れようという目論見です。


MOSFETソースフォロアの動作解析。

基礎としてここまで戻り検討します。Back to basicです。

一般的なgmと負荷抵抗の電流ベース小信号等価回路解析ではなく、非線形動作が見やすく数式でごまかされにくい大信号解析でやってみます。

1.Id-Vgs特性とId-Vds特性の関係

実際に実験に使った2SK2013のゲートソース間電圧とドレイン電流の特性です。
これはドレイン接地(ソースフォロア)の場合ゲートとドレインを接続した時の特性でもあり、
このグラフのVgsはVdsとも読むことが出来るためドレイン側での特性を見ていることと同じになります。
つまりこのグラフではソースードレイン間に2V以上の電圧をかけると電流が大きく流れるということも示しています。





2)Id-Vds特性 入力あり

つづいてこのソースフォロアに入力をいれた時、ドレイン側の特性はどうなるか?
MOSFETはIRF510、LT-SPICE内蔵モデルを使いました。
LTーSPICEでのDC解析ステップ応答

Id-Vgs特性と同じカーブを左右に平行移動させたカーブ群が出てきます。

真空管に造詣の深い方だと、これは3極管特性だと言うことでしょう。
内部抵抗を持つ電圧源がこのようなカーブを示します。

真空管と比べるとVdsの値が数Vと小さく、Idが大きく、そしてカーブが立ってる(内部抵抗が低い)。そしてカーブが等間隔(μが一定)というのが見て取れます。

このIRF510ソースフォロアの増幅度μとソース抵抗 rs(プレート抵抗に相当)をグラフから読み取ると
        増幅度    μ=0.999 (無負荷時)
        ソース抵抗  rs=1.7Ω (Id=100mA)
となりました。

同じく3極管特性を示すSIT(VFET)でヘッドホンアンプやら、パワーアンプを作って来ましたが、こんなに良い特性ではありませんでした。 これではSITを珍重する理由がないですね。

MOSFETソースフォロア 恐るべし。

3)負荷特性

それではこの素晴らしい特性のソースフォロアに負荷をつないで出力がどうなるかを見てみます。
24Ωの負荷を6,6V電源につないだ時の動作ラインです。
A級シングル、バイアス100mAに動作点センターをセットしました。

入力電圧がプラス側に大きくなるとIdが減少し、Idカーブが寝てくる(ソース抵抗が増加)ので出力は低めになります。入力電圧がマイナス側へ行く時はそうでは無く伸びがあるので出力電圧は上下非対称となり歪が発生してきます。
続いて、トランジェント解析に切り替えて同じく片側2Vピークの1KHzサイン波を入れたときの出力とそのFFT結果を見ます。〔負荷線での手書き解析と一致したぞ、やれやれ)

FFTでは第2調波を初めとして多くの高調波が見えています。

歪率は0.85%と、そう良くありません。
「そこそこ」レベルで、まあこれでもしょうがないかという程度です。

この問題の原因は増幅度変動などでは無く、残念なのは、これまで見てきたようにソースフォロアの出力インピーダンスが非線形であるためです。 

長くなったので次ページで解決策をお見せします。






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